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zoom RSS 【映画】スイミング・プール

<<   作成日時 : 2004/08/16 00:55   >>

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7/24 「スイミング・プール」鑑賞@シネリーブル池袋。

フランスの鬼才監督フランソワ・オゾンの新作鑑賞。
シャーロット・ランプリング扮するミステリー作家のサラは愛人である出版社編集長のすすめで彼の別荘でひと夏を一人で過ごそうとする。そこへ彼の娘を名乗るリュディヴィーヌ・サニエ扮するジュリーが現れる。態度も性にも奔放な若いジュリーと、彼女に振り回される熟年のサラ。二人の女性のかけひきの中である事件が起きる・・といった非常にミステリー色の強い大人な作品。

フランソワ・オゾンの作品はなんだか長編1作目の「ホームドラマ」から映画祭の際に良く見かけ結局長編作は全て見ているような状態で相性がいい。
オゾンの今までの作風は一言でいえばキワモノ・アブノーマル・アンモラルとでもいえばいいか。
同性愛や少女少年愛といったような比較的強い性的要素に、カラフルでモダンな色彩感、非日常的いやマネキンといってもいいようなエキセントリックな演出(舞台っぽいやや大げさな演出)、そして底辺に流れるミステリー要素の濃くシュールな脚本と非常に特徴がある。
なのでちょっと見ると”これぞオゾン”というような作風が目立ったのも確かだったように思う。

この非常にエキセントリックな作風を、ホームドラマ(シットコム)やメルヘンなどといったジャンル映画への敬愛も込めた作品にしあげる。といっても全く普通のジャンル映画でないことも確かなんだが。
今回はそういう観点では”ミステリー”というジャンル映画へのオマージュか。

オゾンの最近の展開を見ると”エキセントリックな感の見えるキッチュな路線”と、”しっとりと抑えた演出で質感を大事にする路線”と2つの方向が見れると思う。
前作「8人の女たち」では舞台脚本作品をレトロモダンでキッチュな非常にオゾンらしい”ミステリー”として前者の路線で構築。(大好きでした、この作品)
今作は見事なまでの大人の恋愛感情を浮き上がらせた「まぼろし」(これも良かったですねえ)のシャーロット・ランプリングを再び主役に迎え後者の路線で構築。
”ミステリー”というジャンルへの2つの方向でのオマージュのようにも受け取れた。

この後者の路線の淡々とした物語世界の中に潜むミステリー要素として強く感じたのが、”覗く”という行為の中に潜むアンモラルな秘密を知るという欲望。
この覗く・見るという行為を徹底的に重ねていくのが、サラの視点。若いジュリーを見る・レストランの男を見る・庭師の老人を見る・ジュリーが連れこむ男たちを見る・・とにかく見るというサラの行為。
その覗き見行為の中に、誰しもが少なからず感じるアンモラルな喜び。古くはヒッチコックの「裏窓」などに見られる見るという要素を上手くミステリーとしてからめていると感じた。
オゾンのアブノーマル要素とも上手くシンクロしてるのか。

非常に静かに淡々と物語は進んでいく。そして起こる事件。事件の起きた後の展開は一転加速度を上げスムーズに進んでいく。そしてラストの”ある事実”。”事実”と”想像いや創造”の境目を見せるエンディング。唸らされた。面白い。
一転二転する展開が非常に良く出来ている。

そして転がっていく脚本の中で、主人公のサラは少しずつ変わっていく。
危うげな不安定感を抱えていたオープニングから、ラストはつつむこむような母性とそして強さを表現するシャーロット・ランプリングの上手さ。リュディヴィーヌ・サニエの奔放さと一瞬の危うさを見せる少女の表現も絶妙。二人の新旧女優のコントラストとしても秀逸だった。

なんだかんだ言いましたが、好きだなあ。こういう静かで強い意志を持ったミステリー。かっこいいっす。

なので評価は★★★★(4.5くらいあげられますねえ。良い!)

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南仏を舞台にした「スイミング・プール」
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西沢千晶のシネマ日記
2004/08/24 22:18

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