40's SubCulture Blog

アクセスカウンタ

zoom RSS 【映画】東京国際映画祭「帰郷」

<<   作成日時 : 2004/10/25 23:31   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 1

10/25 東京国際映画祭 日本映画ある視点部門「帰郷」鑑賞@バージンTOHOシネマズ。

本祭7本目。テレビ濱マイクの一本目も撮った萩生田宏治監督の新作。
でこれで7本目だが一番いい作品に出会えた、暖かく優しく良質な傑作と出会えたのである。
いろんな言葉で語る前に、とにかくこの良質な映画を褒めておきたい。
ありがとう。こんな優しい作品を作ってくれて。。

母の突然の再婚で帰郷することになった主人公の西島秀俊扮する晴男。偶然この帰郷時に昔の恋人と再会する。今は独身で子供を育てる彼女の娘が晴男の子供だと告げられ、晴男と少女はわずかな時間を一緒にすごす。
千葉の海沿いの田舎町を舞台に二人の時間と、家族や想いについてをじっくりと優しく描く。
感情をゆっくり優しく揺さぶっていく。

監督・役者・スタッフ全てが気心の知れた仲間で、その全員の朴訥とした雰囲気が映像に脚本に演技に音楽ににじみ出る。
こんな素晴らしい作品がその内容の地味さ(決して地味では無いと思うのだが、一般的な評価として)であまり人に知られずにこれからひっそりと上映されるという状況になるのであれば、それはやはり大事な宝物を逃していることになると思う。
日本映画という中で、日本映画だからこそできる作品。
それは日本人としてのワビサビだったり家庭という共同体へのそれぞれの思いだったり情緒的な感情やそれを育む豊かな風景だったり。
やはりこれが日本であり日本人なんだと思う。だからこそ日本映画でこういう豊かな感情を情景をえがいていく事に自分は誇りを感じるし、こういう作品を誇りに感じたい。

ほんの些細な情景。
田舎町での幼馴染の会話。母の漁業会館での小さな挙式。集まる親戚筋の笑顔。
日常の風景のいとしさ。
そして、晴男と少女チハルのほんの些細な旅。
防波堤を歩き、田園風景の中を歩き、小さなお寺の小さな祭りに行き、海岸で肩車をする。
そこでポツポツと広がっていく二人の会話。
怒ったり、泣いたり、歌を歌ったり。。
いつしか二人は親子のように心を近づける。
泣けた。優しい涙がほんの少し流れてくる。ほんとうに優しい。

物語はたった3日の晴男の”帰郷”を描く。しかしその前と後の違いを丁寧に表情で切り取るエンディング。未来はほんのり明るいんだと言っている。

得てすると不器用に見える朴訥とした西島の演技がこの作品では正に主人公の晴男そのものにぴったり重なり、正にそこに晴男がいるようなリアルな感触を残す。
キャスティングの絶妙さ。
決していわゆる最近の美少女系ではない本当に同じく朴訥とした少女の守山玲愛がまた素晴らしい。無愛想だったり不器用な笑顔を浮かべたり時には大人のような深い言葉を無意識で言ったり。
この二人の感情の歩み寄りを見せたお寺のシーンと海岸での肩車は日本映画史上に残る名シーンだと思う。最高によかった。

利重剛合作の脚本の素晴らしさは言わずもがな、萩生田監督の丁寧な演出も非常に良質。
ああ、こんな良質な映画に会えて本当によかったと思っている。感謝。
一人でも多く、こういう本当に素晴らしい映画の良さに気づいて見る人が増えたらいいなあと思う今日である。

で評価★★★★★(文句なし満点!!派手なばかりが映画じゃない、見るべし!!)

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
萩生田 宏治監督インタビュー/映画「帰郷」について
萩生田 宏治(映画監督) ▼ 映画『帰郷』ができるまで ▼ 出演者について 萩生田宏治監督の『帰郷』に接した者は、そのあまりに慎ましい映画の佇まいに驚きを覚えるだろう。映画がこれほどささやかな物語を紡ぐことのできる表現媒体であったことを、我々はいつのまにか忘れてしまっているのではないか。錚々たる人... ...続きを見る
I N T R O+blog
2005/06/10 12:23

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
僕も今日観てましたよ。脇を固める吉行和子や光石研もはまり役でなかなか良かったですね。
明日は「時の流れの中で」を鑑賞予定
nao
2004/10/26 01:37

コメントする help

ニックネーム
本 文
【映画】東京国際映画祭「帰郷」 40's SubCulture Blog/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる