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zoom RSS 【映画】ドッグヴィル

<<   作成日時 : 2004/09/08 18:35   >>

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8/11 「ドッグヴィル」鑑賞@イイノホール。

「奇跡の海」「イディオッツ」「ダンサー・イン・ザ・ダ−ク」で悲劇3部作を見事なまでの悲痛な作品にしあげ、10か条に基ずくドグマも今ではどこへやらのラース・フォン・トリアーの最新作を鑑賞。
公開時に見ようと思いつつ公開期間に間に合わなかったところ、イイノホールで「メイキング・オブ・ドッグヴィル」と併映ということでこれを逃してはと駆け込んだわけです。

今まではトリアーのとにかく落ちまくる悲劇の中に見せる人間の本質の汚さそして逆の清廉さ・全編を覆う悲しさとその中に垣間見せる救いと希望と喜び。
その変態的ともいえる映像世界の中で見せる本質論を今まではトリアー独自の悲劇という物語の中で見せていたように思う。それも露悪としてもとられかねないリアルな撮影・演技・演出・物語世界の中で。
前作「ダンサー〜」で飛行機嫌いでいったことのない国アメリカの片田舎を舞台に、そのリアルと劇中ミュージカルに結合により物語としての悲劇の中にある本質的な愛を描いたトリアーはここで一度一区切りをつけたのだと思う。
現実世界のように見える犠牲をもいとわない本質的な愛の世界に。

そして今作では、トリアー的変態犠牲愛を描いているように見せつつも、そこに見えるのは強烈な批判精神。
コミューンというある集団での生活だったり、家族というミニマムな共同体だったり、そこで発生する隣人感情だったり、愛するという行為と性欲という相反しかねない要素だったり、ある人間と人間がいることによって発生する戦いだったり、最終的には”アメリカ”という国の持っている根本的な性格である排他や戦争だったり、アメリカそのものだったり、そういう要素を徹底的に批判しているように見えた。
結局こんなもんでしょ?人間って・・・と。
(裏にあるアメリカってという批判精神も大きく見えている気もするが。)

そういう観点で従来の作品が悲劇だけれども救いや深遠な愛の側面が強く感じられたが、今回は非常にシニカル・批判的なように見えた。

何もない倉庫の中に白線で描かれた街の構図と、突如置かれている簡単なセット。その中でさも生活するように振舞う役者たち。カメラはそれを今までの手法をさらに進化させた形で表情に寄る。
狭い空間で擬似集団として演技させられる役者の中に生まれているであろうストレス・憎しみなどの負の感情をすくいとる。
そこにぽつんと放り出される非日常的なビジュアルのニコール・キッドマン扮する主人公グレース、人形的な美しさはより日常との乖離を際立たせる。
もはやグレースではなくニコール・キッドマンそのものという存在のように見えてくる、これも狙いとおりか。
そして日々増しているグレースへのねたみ・そねみ・憎しみといった集団感情。これも正に”撮影現場”というその場所そのもので起きているかのように見えてくる。
そして急展開そして驚愕ともいえるラストへの展開。そこにある非常に批判的なメッセージ。
そうきましたかと納得させられてしまった。

が、しかし今回のこのセットと演出スタイル。うーむ、これって舞台世界・要は演劇なんではないだろうか・・・と思いトリアーのコメントを見ると「ブレヒトに発想を得た・・」と。なんだやっぱり演劇じゃんと。映画が映画であるために成立させるためには、演劇世界を映画にするという必要性はどこにあるのか?それってカメラという構図の中に意図的にここを見ろと封じ込める製作者の意思だけであって演劇を超えていないんじゃないか?という気がしたというのも本音である。
(余談だが、どーも最近こういう批判精神を舞台で見てるなと思ったらポツドールでした。非常に近いと思うが。ポツドールの世界観。)
トリアーなら演劇を超えるものを見せてくれると期待しつついまひとつ超えていない感が残った。

しかしまあとにかく衝撃的・刺激的であることは間違いないわけである。トリアーの唯我独尊世界は満喫できること間違いなし。
他の監督はこんなんの撮らないっすよ、たぶん。

ということで評価★★★★(間違いなく問題作品だが、一部疑問も残るので4つです。)

PS.併映の「メイキング・オブ・ドッグヴィル〜告白」を見て、トリアーの潔癖症といえる世界構築のすべを見せられました。あそこまでやればそりゃあ役者も本気の感情出てくるでしょうという納得もあり。このドッグヴィルの撮影チームそのものが、本編舞台のコミューンに重なってくるのも狙いか。

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